連続不連続

CDの登場で、機械的な動作の連携で振動を伝えてスピーカーを鳴らすアナログ再生の仕組みが廃れたこと、ハイレゾリューションなどのスペック勝負が一段落して、また塩ビの円盤が再評価されていることを書きました。

この方式の最大のメリットは、様々な変調を経ていても、元の生演奏のエネルギーが振動板を揺さぶって室内を楽音で満たすことです。音の細道をたどれば、必ずや演奏家の意図が現れる。

シリコンウエハースに電磁記録を蓄積する方法論は、SSD(ソリッドステートドライブ)へと派生して、今では一切回転系を持たない音楽再生が主流となっています。データを送り出すクロックの精度が音楽の再現性を保証する形です。

1秒間に発振する(電圧の最大値と最小値を繰り返す)回数をクロック周波数という。パソコンでよく「Intel Core i7 3.20GHz」などといった表示を見かけるが、この3.20GHzの部分がクロック周波数である。現代のパソコンでよく耳にする単位は主にギガヘルツ (GHz) で、この値が大きければ大きいほどそのコンピュータの処理速度が速いということになる。Wikipediaより

フラッシュメモリ中のケイ素が硼素やリンへと変換されることで起きる電位差を情報元とするシリコンオーディオの再生音は、振動を大切に伝えて受け渡す行程の連続であるアナログ再生の音に、どこか共通する滑らかさがあると、これまでの私は考えていました。

しかし地球環境が激変しているこの1、2年で、シリコンオーディオの再生音につきまとうある種の粘着性が耳につくようになりました。先程聴いた曲が室内空間に滞留して、いつまでもリピート再生されているような不思議な感覚です。

地球規模で活発化した火山活動によって、大気中に吹き上げられた噴煙の濃度は近来ない高レベルに達しています。さらにそこを飛び交う3.6ギガヘルツの高出力の電波が、それら微粒子を電磁気録媒体の状態にまで賦活しています。

噴煙の成分に含まれるのが、シリコンの原料となるケイ素です。今や地球上至る所で、身の回りの空気が記憶層になっているかのようで、濃密な空気に読みとり装置を直結すれば、最新のヒット曲はおろか、地上で考えうる最も美しい曲すら抽出出来るかもしれません。一方で、一度聴いただけの曲が、脳内でリピートされ、耳について離れないという現象も説明できるかも。

ケイ素は微量ながらも人体に含まれるミネラルですから、シリコンによる情報伝達が基軸の現代で、気づかないままに生身の体と大気が情報の受け渡しをしている可能性はあります。

私が30センチメートルの塩ビの円盤をゆるゆる回して音を出す仕組みに、いまだに魅力を感じ続ける理由は2つ以上の方式が併存する状況が素晴らしいからです。回転と振動がアナログ再生には確保されている。調整箇所がたくさんあって使う人の技量や感覚により、再生音も様々ですが、安らぎは一緒です。見なせば、器楽演奏ですね。吉野の山深く群れ立つヤマザクラの花盛りのように、世代を重ねて受け継がれる技術の力強さを感じます。シリコンの音は、どちらかといえば接ぎ木によるクローニングで増やされたソメイヨシノで、あの桜並木が持つ均一な静寂感が特徴です。

追記 SSDは一切機械的な動作を必要としない点で、可搬性利便性に優れます。一方、非接触でありながらも、実際に丸いディスクを廻し、レーザー光で凹凸を精査していくCDによる再生には実在感があって、これはこれでいいものです。

 

nor

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です